今年の春から猫ちゃんの慢性腎不全に対して新しいお薬が使えるようになりました。
商品名は「ラプロス」と言います。
販売前からインターネットや新聞紙面でも取り上げられていたお薬で、
来院される飼い主様からもよくご質問をお受けしていました。
慢性腎不全は猫ちゃんに多い病気で、
10歳以上になると30~40%の子がこの病気を持っていると言われています。
お家で気づいていただきやすい症状としては、
お水を飲む量が増えた、おしっこの量が増えた、食欲が落ちてきたなどがあります。
新しいお薬の詳しい情報を得るために、
先月に京都でこのお薬についての勉強会がありましたので参加してきました。
今まで猫ちゃんの腎不全で使用していたお薬とは異なるポイントに作用し、
腎不全の進行を抑える効果がよくわかりました。
その他の副作用も大きなものはないようでした。
私の飼い猫であるもじゃも慢性腎不全(ステージ2/4)を患っています。
勉強会に参加して良いお薬だと思いましたので、
もじゃに協力してもらいお薬を1か月内服して様子を観察してみました。
内服中はこれと言った副作用は認められず、錠剤も小さいので食事と一緒に内服が可能でした。
投薬前と投薬から1か月後の血液検査も実施しました。
腎数値(BUN:33→31.6、クレアチニン:1.9→1.7)は少し低下していました。
この結果からも内服が可能な慢性腎不全の猫ちゃんであれば、
「ラプロス」は十分効果が期待できるお薬ではないかとの感触を持っています。
すでに悪くなってしまった腎臓の部分は回復はしませんが、
残っている元気な部分をいかにいたわって長持ちさせるかが猫ちゃんの慢性腎不全の治療にとって大事なポイントです。
「ラプロス」にはこの点が期待できますので、
慢性腎不全の猫ちゃんを飼われている飼い主様はこのお薬をご検討してみてください。
またうちの子は慢性腎不全なのかとお悩みの飼い主様はお気軽にご相談ください。
院長
滋賀県湖南地域(守山市・栗東市・野洲市・草津市)の動物病院
くすの木動物病院