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くすの木動物病院 スタッフ日記

くすの木のゆかいな仲間との日々(2015年12月)

久しぶりのこのシリーズです(^_^;)

 

今年も間もなく終わりますね。

皆さまは今年やり残したことはありませんか?

 

私は今年やり残したことというか、この3年ほどずっと先延ばしにしていたことがありました。

それは我が家のはち(ミニチュア・ダックスフント)の歯石除去でした。

獣医なんだからトットとやれば、いいじゃないかと思われるのが当然かと思います。

しかし、この子には心臓に問題があり、麻酔をかけるのが非常に難しいのです。

事実、3年前にも歯石除去をしようとして麻酔をかけましたが、

心臓の動きが安定せず、断念した苦い思い出があります。

5年前に歯石除去をした際は全く問題はなかったのですが…

その時はまた歯石除去をすればいいと思い、その後はオーラルケアをほとんどしていませんでしたので、3年前の時点で結構な歯石が付着していました。

歯石除去後のオーラルケアの重要性を飼い主さんに散々お伝えしているのに、その当の本人がこれでは情けないことです(*_*)

3年前からは、これ以上歯石を付かせまいと心を入れ替えてオーラルケアに打ち込んでいましたが、一度付着した歯石はどうにもなりません。

そこでこの半年ぐらいどうしたものかと悩んでいました。(どんなけ悩んどるんや!!)

 

考えられる方法としては3つです。

①このままオーラルケアを続けていく

→この方法の場合、麻酔をかけずに済むというメリットはありますが、付着した歯石は取れず、歯周病が進行していきます。歯周病を放置しておくと、口臭だけの問題ではなく、内臓疾患のリスクや寿命が短くなるとの報告もあります。

②無麻酔で歯石除去

→この方法も麻酔をかけずに済むというメリットがあります。しかし歯石を取れる範囲が限られること、何より歯周病を進行させていく歯周ポケット内のケアが無麻酔ではできません。見た目はきれいになるかも知れませんが、それだけのこと。やった側の満足度は高いですが、歯周病に対してのケアは何もできていません。さらに歯石を取る際にエナメル質を傷つけてしまい、歯石の再付着が起こりやすい原因を人為的に作ってしまいます。これをするぐらいなら、①の方がずっと良いです。

③麻酔下での歯石除去

→②のようなことはなく、歯周ポケットのクリーニングがしっかりできます。また歯石除去後に歯の表面を研磨剤できれいに磨いて、歯石の再付着が起きにくくなります。ただ、全身麻酔が必要なのです。

③でいくしかないことは、こんなに悩まなくてもわかってはいることでした。

情けないですが、こういった時、私も獣医師である前に一人の飼い主となってしまします。

そして結構悩んでしまうタイプです(T_T)

が、いつまでも悩んでもいられません。

意を決して、十分なわけではありませんが、私の今持っている知識、経験、技術をすべてつぎ込んで、

術前検査、麻酔、歯石除去へと進んでいこうと決断しました。

 

術前検査の評価は大きな問題なく、十分注意しながら、麻酔を実施しました。

はちも頑張ってくれ、心臓の動きも安定し、処置中は何の問題もありませんでした(^_^)

処置前と処置後の様子がこちらです。

Before

DSC02272      DSC02275

After

DSC02276           DSC02279

見違えるようにきれいになりました(^^)v

麻酔というのは必ず安全というものではありませんが、十分に準備・対策を取ることで安全に行えることを身をもって体験した出来事でした。

 

実はこの日は24日でクリスマスイブでした。

私からはちへのクリスマスプレゼントと言いたいところですが、当の本人はそうは思ってくれないでしょうね…

私はこの3年間の課題をクリアにできたことでいい新年が迎えられそうです。

もちろん、オーラルケアも頑張っていきますよっ!!

 

院長

 

滋賀県湖南地域(守山市・栗東市・野洲市・草津市)の動物病院

くすの木動物病院