昨日から急に春らしくなってきましたね。散歩にもいい季節になってきました。
今朝のテレビニュースや新聞朝刊で報道されていましたが、マダニが媒介する感染症について皆様はご存知でしょうか?(媒介:感染症ウイルスの運び屋になっているということです。)
正式名は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(病気についての詳しい情報はこちらのサイトをご覧くださいhttp://frontlineplus.jp/frontline/sfts.php)と言います。昨年も大きく報道されていましたが、西日本を中心に発生が見られ、全国的な拡がりがみられています。今まで53名の患者さんの報告があり、そのうち21名の方が亡くなられています。現時点では有効な治療法がなく、予防ワクチンも開発されていません。また残念なことではありますが、本日の報道にあったように、厚生労働省研究調査班の報告で滋賀県内のマダニからそのウイルスが検出され、県内のシカからもこのウイルスの感染歴を示す抗体が確認されたました。つまり、県内にこのウイルスが入ってきているということです。
この感染症が皆様にどう関係があるかと言うと、このマダニが、ワンちゃんやネコちゃんに寄生するダニと同じものなのです。ワンちゃん・ネコちゃんに対してこのウイルスが悪さをすることは現在報告されていません。しかし、その子達が持って帰ってきたマダニによって飼い主さんご家族がこの病気に感染してしまう可能性があります。
またそれ以外にもワンちゃん・ネコちゃんにも貧血を引き起こしたり、ほかの感染症をおこす病気を運んでいたりと、マダニは何かと厄介です。
したがって、いかにマダニに寄生されないようにしていくかが重要となってきます。
これから春にむけてマダニの活動性は高まっていきます。理想を言えば1年を通してですが、春~秋にかけてはしっかりと予防をされていくことをお薦めします。具体的には、首元の皮膚につけるタイプのお薬や飲み薬をそれぞれ毎月1回投薬していただくことによって、安全・確実に予防することができます。
病気になった時の治療も重要なことですが、そうならないように普段から予防していくことのほうが飼われている動物や飼い主さんにとって、もっと重要だと思います。マダニの予防は決して難しいものではありませんので、是非ご検討ください。また予防方法についてや投薬方法について疑問点がありましたら、お気軽にご質問ください。
ちょっと今回はは長くなりましたが、大切な話だと思いましたので。
院長 八木